2016.10.6

『よく食べ・よく遊び・よく〇〇する』Vol,4

 
若木 均
わかきkids'クリニック院長
日本体育協会公認スポーツドクター

体内時計のずれと肥満・・・規則正しい食生活を

以前の新聞記事に「遅い夕食はやっぱり太る」というものがありました。
夕食の時間が遅い、朝食を摂らないなど、食事の間隔やリズムが乱れていると体内時計の調整がうまくいかなくなるということです。
 
体内時計のお話しをする前に、生物に備わるサーカディアンリズムについて触れたいと思います。これは、昼と夜を作り出す1日のリズムのことで、ラテン語でサーカは“おおよそ”そしてディアンは“1日”を表します。「おおよそ1日のリズム」のことになります。一定の時刻がくると自然に眠くなり、一定時間眠ると自然に目が覚める睡眠と覚醒のサイクルをはじめとして、血圧や体温、ホルモン分泌の変動などが代表的な例です。このリズムの乱れから起こる症状としてよく知られているものが時差ぼけであり、また不眠症などとの関係も疑われています。
体内時計は、この生物のサーカディアンリズムを作ったり調整したりする仕組みで、上のような睡眠と覚醒のサイクル、体温やホルモン分泌などの機能を約24時間の周期で調整してくれています。

通常3回の食事の中では、夕食から朝食までの時間(絶食)がもっとも長いわけですが、その長い絶食のあとの朝食で体内時計がリセットされます。このリセットが大事なわけですが、これには朝食を摂ることの他に、毎朝決まった時間に起きる、起床したら朝日を浴びる、といったことも挙げられます。つまり夕食の摂取がコンスタントに遅くなると、体内時計のリズムが狂ってしまうのです。人間では体内時計の混乱によって肥満や糖尿病になりやすい、ということが分かっていて、肥満の予防のためにも規則正しい食生活が大切ということになります。また、こども達にとって遅い夕食は遅い就寝にもつながり、翌朝「おなかがすいていない」「眠くてすっきり起きられない」という悪循環にもつながり、体内時計のリセットもうまくできなくなってしまいます。

 
「規則正しい食生活、早寝早起き」といった、当たり前だけどすごく大切なことを当たり前にできるように、お子さんたちを導いてあげましょう。

若木 均 / Wakaki Hitoshi

わかきkids'クリニック 院長
日本体育協会公認スポーツドクター


平成9年 浜松医科大学卒業
平成9年 慶應義塾大学病院小児科学教室
*慶應義塾大学病院勤務時に、こどもの城体育事業部で短期研修。
平成15年~ 横浜市立市民病院小児科
目黒通りこどもクリニック 院長
現在 わかきkids'クリニック 院長
小児科専門医
日本体育協会公認スポーツドクター(平成23年~)