2015.4.9

鬼ごっことコミュニケーション Vol,1

羽崎泰男代表理事×宮原哲(同協会理事、西南学院大学教授)

■羽崎 泰男 (以下、羽崎)
みなさん、こんにちは。羽崎泰男です。
今回の対談に西南学院大学の宮原教授をお招きしました。
彼は私の30年来の友人で、いろいろな形でつきあいを続けています。

それでは自己紹介をどうぞ。

■宮原 哲 (以下、宮原)
西南学院大学でコミュニケーション学を中心に教えております宮原哲と申します。
コミュニケーション学というのは、まだ日本では一つの学問として市民権を得ていません。

認知度が低いです。

しかし、ちまたにコミュニケーションという言葉が非常に多く使われているわりには、あまりコミュニケーションとはなにかを正確に理解されていません。

なにか問題が起こると、コミュニケーションが十分ではないとか、コミュニケーションがまずいとか。逆にコミュニケーションをもっととれば、すべてがうまくいくと言われています。 本当のコミュニケーションというのは、たんに人になにかを伝えるための道具ではなくて、伝える中身を作ること、自分を知るということ、自分に気づくと言うことも大切なことなんです。

たんなる道具やスキルということではなくて、もっと深いところに源があるんですね。

鬼ごっこについてみても、人と人とがぶつかり合ったり、競い合ったり、あるいは協力をしあったりするところに、人間関係が生まれてくるという、コミュニケーションの一つの表れであると考えています。非常に関心を持っています。

■羽崎
コミュニケーションについて簡単に紹介してもらいました。

私は鬼ごっこの運動面での話はいろいろしてきまして、一つの要素としてコミュニケーションという言葉がでてきます。コミュニケーションというのは簡単に使える物ではなく、本当に奥の深いものであると感じています。我々からみるとコミュニケーションというのは抽象的な感じがするよね。

コミュニケーション、コミュニケーションと言うのだけど、実際に使いやすさって言うのは、 逆に言えば、 はっきりしたものがないためにいろんな形で使われるし、いろんな人が使いますね。

今回の対談では、コミュニケーション学によって抽象的なもののなかから具体的なものを出してもらいたい。そのひとつの材料として、鬼ごっこを通したときコミュニケーションというのはどういうことだろうか。もしかしたら、抽象的なものの中から具体的な話が聞けるかなと思います。

実際に運動面の鬼ごっこの良さっていうのはわかっています。だけど、お母さんや一般の人と話したときに、鬼ごっこのなかにはコミュニケーションが大切な要素としてありますよといと、運動面での反応とは違った反応があります。そこらへんを宮原先生達に研究してもらいたい。こういうものには具体性がないとダメなんですよ。

■宮原
そうですね。

■羽崎
こういうときにはこういうコミュニケーションが必要とか。
鬼ごっこ全体だと話が広くなっちゃうんで、今回はスポーツ鬼ごっこに絞ってお話をしていただきたい。

我々の課題は、スポーツ鬼ごっこを広めるということ、もう一方では、鬼ごっこを就活・婚活・再婚活・企業研修に使いたいという話が来ていているんです。

鬼ごっこを通してコミュニケーションが生まれるのではないかという期待感があるらしい。そういうのを私は感覚としてだけでとらえているのだけど、子供の世界でも大人の世界でも共ているのはコミュニケーションツールとしての期待があるんです。

とっかかりは難しいと思うけど、例えばサッカーチームのなかで、ずっとやっていくと、 「一番良いのはチームワーク」 、 「コミュニケーションがすごくとれるようになれた。 」と言うんですね。そうすると、先ほどもいったようにすごく抽象的なんです。サッカーの中で生まれるコミュニケーションというのは、専門家から見てどのようにとらえているのですか?

次回に続く…