2015.5.21

スポーツ文化を考える Vol,1

 
羽崎 貴雄
一般社団法人鬼ごっこ協会 理事

初めまして。羽崎貴雄です。
これからスポーツ文化についての連載を行うことになりました。非常に難しく、恐れ多い 気持ちで一杯ですが、今後の日本のスポーツ界の発展の一つになればと思い、今回書かせ て頂くことになりました。  大きくスポーツ文化と言っても曖昧なものでなかなか捉え方が難しいと思います。そもそ も、スポーツとは何か、ということからスタートになってしまいます。 

古くはスポーツはラテン語のportare(ポルターレ=ものを運ぶ)に由来したものであり、 ラテン語のdeportare(デ・ポルターレ=生活から離れる)がフランスに渡り、Desporter (Des 離れる+porter運ぶ。ディスポーター=ものを運ぶことをやめる。動詞で、はしゃぎ 回る)となったとも言われており、スポーツの起源は普段の生活からはなれ、楽しんだり することを意味することでもあると思います。 中世以降に、貴族等が行うスポーツとして最もポピュラーだったものは狩猟や乗馬等でレ クリエーションとして貴族達が行っていました。

そして、産業革命以降になるとレジャーのような意味合いのものと政治や社会生活の分野 における有効な教育的な要素を含んだ二つの捉えられ方になって行ったともいわれていま す。その中で前者をレクリエーションというような捉えられ方になり、後者が近代スポー ツになって行ったともいわれています。近代スポーツは貴族社会が教育として決めた統一 ルールが社会生活に広まって行ったともいえます。 近代スポーツは、ルールを守り、公平性や人間性を養うために築き上げられたものと言え るかもしれません。 さらに現代スポーツはそこからギャンブルや競技志向が強くなるといったところで本来の スポーツ文化とは少し形を変えてきているのが現状ではないでしょうか。

このように、スポーツという一つの言葉を考えたときに、時代やその時の社会環境により スポーツ文化というものは形を変えて伝わってきており、どれが正しいというようなこと はないものですが、その時代時代にあったものをしっかりと伝え、広めて行くことが大切 なんではないかと思います。

羽崎 貴雄 / Hazaki Takao

一般社団法人鬼ごっこ協会
   専務理事
   チーフ・パーティー・エンジョイナー
国際スポーツ鬼ごっこ連盟 理事長
鬼ごっこ総合研究所 副所長/研究部長


1983年京都府生まれ。2006年青山学院大学経済部卒業。俳優、舞台・映画プロデュース活動中の2007年(株)アミカ企画を設立、代表取締役社長に。地域に密着した映画や舞台、イベントプロデュース事業を行う。2010年(一社)鬼ごっこ協会設立、理事に就任、事業統括を担当。2014年国際スポーツ鬼ごっこ連盟設立、理事長に就任。現在スポーツ鬼ごっこの国際化に向けた活動に従事している。
<資格>
保育士